自己治療が難しいパーソナリティ障害を治そう!

性格や個性と病気との違い

笑顔の女性

性格の問題でない心の病気

人間は1人1人性格が異なり、性格の違いは個性となって表れます。陽気で他人を笑わせるのが得意な人もいれば、常に冷静沈着で感情を表面に出さない人もいます。怒りっぽい一方で根は優しいという人も少なくありません。そうした個性の範囲から著しく外れ、他人との協調性を欠いて社会生活に支障を来すようになると、単なる性格の問題では済まなくなります。そうした人は誤解されやすく、周囲の人から人格そのものを否定されがちです。精神医学の世界ではこれをパーソナリティ障害という心の病気として扱います。性格の問題ではなく病気なのですから、治療は十分に可能と考えられているのです。パーソナリティ障害にはいくつかの種類が知られており、以下のように大きく3群に分けられます。1つは統合失調症に近い病態で、昔から変わり者として呼ばれていた人たちの症例です。2つ目には衝動的行動や情緒不安定を特徴とする病態が挙げられ、境界性パーソナリティ障害や反社会性パーソナリティ障害などが含まれます。不安や恐怖の傾向が著しい3つ目の病態としては、回避性パーソナリティ障害や依存性パーソナリティ障害が代表的な例です。それぞれのタイプごとに治療法は異なりますが、共通するのは患者と治療者が互いに協力し合いながら時間をかけて治療していくという点です。そのためにも両者の信頼関係が治療の大きな鍵となります。

有効性の認められた治療法

症例が最も多いと言われる境界性パーソナリティ障害は、自傷行為に代表される衝動性や情緒不安定が特徴です。うつ病や摂食障害・依存症など他の病気と併存する例も少なくありません。この症例に対しては弁証法的行動療法の有効性が知られています。これと同じグループに属する自己愛パーソナリティ障害は、自分に対する過剰な自信と他人に対する共感の欠如が結びついた病態です。性格の悪さとして片付けられがちな症例ですが、精神科ではこのケースでも精神分析的精神療法を中心に治療していきます。周囲の無理解から生じるさまざまな身体不調についても、対処療法で症状を軽減させることが可能です。反社会性パーソナリティ障害は周囲から最も誤解されている症例と言っていいでしょう。道徳や社会規範に反する行為が目立ち、多くは思春期以前に発症します。こうした症例に対しても精神科では、薬物療法や認知行動療法・個人精神療法による治療を実施しています。自己否定感に抑うつや社会不安などを伴う回避性パーソナリティ障害に対しても、さまざまな精神療法が行われています。薬物療法の高い効果が知られているうつ病とは発症原因が異なるため、この症例では心理カウンセリング的手法が重視されます。以上のような例は精神科で行われている治療のごく一部に過ぎません。時間はかかりますが、1人1人の個性に合わせた治療法によって他人との協調が可能となるのです。

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